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アラブ首長国連邦(UAE)の開発戦略の概要

UAEでは連邦政府と各首長国レベルで開発戦略を策定している。ここで紹介する計画は、主に経済・社会全体に関わる計画のみであり、観光や都市開発など特定の産業を対象とした開発計画は数多く企画されている。
  • 連邦政府レベル:2010年に「UAE ビジョン2021(UAE Vision 2021)」発表。
  • 首長国レベル:現在、アブダビ、ドバイ、フジャイラ、ラアス・アル=ハイマで以下の計画が策定されている。
<アブダビ>
  • 「ポリシー・アジェンダ 2007-08(Policy Agenda 2007-08)」
  • 「アブダビ経済ビジョン 2030(Abu Dhabi Economic Vision 2030)」
  • 「プラン・アブダビ 2030(Plan Abu Dhabi 2030)」
<ドバイ>
  • 「ドバイ計画 2021(Dubai Plan 2021)」
  • 「ドバイ産業戦略 2030(Dubai Industrial Strategy 2030)」
<フジャイラ>
  • 「フジャイラ2040(Fujairah 2040)」
ラアス・アル=ハイマ
  • 「RAK南部20か年開発計画(20 Year Development Plan for Southern Region of RAK)」

[産業]非石油産業:ドバイの産業の多角化とフリーゾーン戦略

1950年代以降のドバイの非石油産業に係る巨大インフラ計画を整理中。

■1950年代 ドバイのクリーク浚渫・拡張工事
■1960年代 ラシード港、ドバイ空港建設
■1975年 ドバイ・アルミニウム社(DUBAL)設立
■1970年代 ジュベルアリ港(1983年完成)とフリーゾーン(1985年開設)建設
■1985年 エミレーツ航空設立
■1990年年代 エアポート・フリーゾーン、インターネット・シティ、メディア・シティ、国際金融センター設立、、、

【参考文献】細井長[2012]『アラブ首長国連邦(UAE)を知るための60章』明石書店

[産業]石油産業:UAE経済の中心

■UAE経済の約3割を占める。
■石油生産量:371万バレル/日量(2014年、世界生産量の4.0%、以下2015年版BP統計)。 …うち約9割がアブダビ。
■石油確認埋蔵量:978億バレル(同年、世界シェアの5.8%)。…うち約9割がアブダビ。
■天然ガス生産量:578億㎥(世界シェア1.7%) …UAE国内消費693億㎥ 。カタルから輸入(2007年以降、「ドルフィン計画」)
■天然ガス確認埋蔵量:6.1兆㎥(世界シェア3.3%)

[UAE]それぞれの産業について目次

せっかく[UAE]アブダビとドバイでUAEのGDPの約9割-経済の産業構造でUAEの主要産業について触れたので、いくつかの産業をピックアップして概観したい。

(1)石油産業:UAE経済の中心
(2)非石油産業:ドバイの産業の多角化とフリーゾーン戦略
■不動産・ビジネスサービス業
■卸売・小売・修理サービス業
■運輸・倉庫・通信業
■建設業
■製造業
■金融業
■電力・ガス・水産業
■社会・個人サービス業
■観光産業:近年のホテル産業の動向とアブダビの文化的観光事業

項目はこのようなところで、整理しながら加筆する。

[UAE]2070年から人口は減少に転ずる

国連によるUAEの総人口の推移と予測をグラフにしてみた。

図5
出所:World Population Prospects: The 2012 Revision, UN


2010年の人口を844万人とすると、2065年ごろには2倍近く(1608万人)まで増加するが、その後人口は緩やかに減少に転ずると予測されている。

■UAEこうした人口増加と相対的に早い人口減少の時期には、UAEの若年層・就労層の構成が背景にある。
■現在のUAE国内を見ても分かるように、若年層・就労層が厚い。20歳未満が2割、若年層が豊富な西アジア地域にあって就労層が厚い。外国人労働者の流入が要因。

図6
出所:World Population Prospects, The 2010 Revision, UN

そして改めて確認するが、首長国の人口の大半は外国人である。

表:首長国別・性別・国籍別の人口構成(2010年中推計)
図7
出所: National Bureau of Statistics統計より筆者作成

[物価]アブダビで生活するにはお金がかかる。そしてUAQでも。

アブダビでの生活でしばしば言われていたのが、物価の高さ。

図4
出所:National Bureau of Statistics資料より筆者作成

■2014年1-2月の短期間でも、0.15%の物価(CPI)上昇。
■家具やレクリエーション関連、レストラン・ホテル関連の物価上昇が牽引。
■高いアブダビとUAQの物価。なぜ高いのかについては分析が必要。保証制度、人口、市場等、、、。

Umm Al QuwainはAjmanとRas Al Khaimahに挟まれた首長国。


[UAE]アブダビとドバイでUAEのGDPの約9割-経済の産業構造

今回は近年のUAEの産業構造についてまとめておきたい。

■UAEの実質GDPは1.15兆AED=3143億米ドル(2014年、ただし2007年価格基準で調整済)。
■UAE経済の31.4%は石油部門からなる。
■非石油部門のうち、卸売・小売・修理ビジネスサービス業、不動産・ビジネスサービス業、建設業の規模が大きい。
■金融業は規模としては8%に過ぎないが、成長産業の一つ。

表:UAEの産業別実質GDP構成と成長率(2013-2014年)
図1
注1:2013年、2014年は暫定値。
注2:主要項目のみを抽出したため、各項目の合計は100%にならない。
出所:National Bureau of Statistics統計に基づき筆者作成

このUAE経済を実質的に支えているのがアブダビとドバイの経済。そしてアブダビとドバイでは産業構造が大きく異なる。

■2012年のデータでは、アブダビとドバイでUAEのGDPの約9割を占める。
■アブダビはドバイのほぼ2.5倍
■アブダビ:鉱業が55%
■ドバイ:卸・小売・貿易・修理などのサービス業が中心

図:アブダビとドバイの産業構造
図3
出所: National Bureau of Statistics統計より筆者作成

残りの北部首長国については、またアップします。

[UAE]原油価格とUAE経済の連動

■2011年から、地域の不安定化を受けて原油価格の回復。
■2012年2月からイラン情勢緊迫などにより一時120ドル/バレル突破。
■2014年夏から急落。米国のシェール革命と新興国の需要減速などが要因。

図1
出所:IMF

図2
出所:IMF

[UAE]アラブ首長国連邦の概要

アラブ首長国連邦(UAE)の経済を紹介する機会があったので概略をまとめておきたい。

図1
<アブダビのシェイク・ザーイド大モスク 筆者作成>

■正式名称:الإمارات العربية المتحدة (ラテン文字転写 : al-Imārāt al-‘Arabīyatu al-Muttaḥidatu)
■面積:8万3,600㎢(北海道とほぼ同じ)
■人口:約880万人(2013年)(IMF推計)、うちUAE国籍(Emirati)95万人(総人口の約11%)。
■在留邦人:約3,459人(2013年10月、外務省統計)、うちアブダビ約670人、ドバイ約2,500人
■首都:アブダビ
■アブダビ、ドバイ、シャルジャ、アジュマン、ウンム・アル=カイワイン、ラアス・アル=ハイマ、フジャイラの7首長国から構成される連邦国家。1971年に連邦結成。
■連邦政府は外交、軍事、通貨・金融および教育の一部を所管。石油・経済開発は各首長国権限。
  ①大統領:Khalīfa bin Zāyid bin Sultān Āl Nuhayyān (خليفة بن زايد بن سلطان آل نهيان‎)アブダビ首長
  ②副大統領:Mohammed bin Rashid Al Maktoum (محمد بن راشد آل مكتوم‎)ドバイ首長

おわりに:「UAEによるヨルダン支援」(4/4)

 本レポートでは、UAEの対ヨルダン援助政策から、シリア危機に対するUAE政府と援助機関の対応を整理した。

 UAEによるシリア危機への軍事的な貢献は、センシティブな問題をはらんでおり、UAEにとって十分な軍事的選択肢を持っているとは言い難い(2015年2月5日付、AFP)*2 。その中にあって、ヨルダンUAE両国は長年の友好関係を築いており、危機以前から継続しているUAEからの開発援助とシリア危機に対応した人道援助ヨルダンの政治経済の安定化の大きなサポートとなりうる。

 しかし、シリア危機の進展は依然として予断を許さない。不幸にも周辺地域の混迷が長期化し、ヨルダンにおける負担が増大し続けた場合、重要なドナーであるUAEにとっても援助政策の変更あるいは縮小を余儀なくされる事態が起こらないとも限らない。中東アラブ地域にあって、極めて有力な援助国であるUAEが援助政策を転換した場合、単に援助額が減少するという援助効果の低下にとどまらず、中東アラブ諸国間の外交関係にも深刻な影響を及ぼし得る。引き続き注視が必要である。

注2 「UAE、対「イスラム国」空爆参加を停止 ヨルダン操縦士拘束受け」
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Jun SAITO(جون سايتو)

Author:Jun SAITO(جون سايتو)
中東湾岸諸国経済、企業金融が専門の研究者。UAE・アブダビから帰国しました。
Researcher:Gulf Arab Economy, Financial Development, Family Business and Islamic Finance.
باحث: الاقتصاد في الشرق الأوسط، التنمية المالية، والتمويل الإسلامي.

■プロフィール詳細はこちら(Curriculum Vitae)(السيرة الذاتية):作成中
■研究成果の詳細はこちら
■研究プロジェクトの詳細はこちらResearch Projects

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