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【マクロ】第3回 わが国の戦後のマクロ経済概観

3.1 わが国マクロ経済の歩み

(1)戦後復興期(1945-1954年)
nGHQの指導のもと経済の民主化を推進
 財閥解体   
 農地解放  
 労働権の確立  

n傾斜生産方式194649年、戦後経済復興のための重点生産政策として実行された産業政策。「石炭,鉄鋼超重点増産計画」という名のもとに推進。)

→ 復金インフレ (194748)


n朝鮮戦争19501953年)を転機に、日本は経済復興(=朝鮮特需)。

緊縮財政ドッジラインにより復金インフレは沈静化。…19492月、GHQ財政金融顧問ジョゼフ・M.ドッジ(デトロイト銀行頭取)の指導に基づき、同 1949年から吉田内閣が実施した一連の経済財政政策。

(2)高度成長期(1955-1973年)
n史上類のない経済拡張の時代
 神武景気   1955年~1957年の31ヶ月。
 岩戸景気   19586月~196112月まで42ヶ月間。
 オリンピック景気   196211月~196410月。
 いざなぎ景気   196510月~19707月の57か月。

n 重厚長大 の工業化
nGNPはこの時期に約6倍(GDPも約5倍)に拡大。GDP成長率は10%前後。1968年にはGNPで米国に次ぐ世界第2位の経済大国に。国民生活の飛躍的向上。
・「3種の神器」=テレビ、冷蔵庫、洗濯機
・「新3種の神器」=カラーテレビ、クーラー、自動車
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n一方で4大公害病などの環境破壊が進行。

(3)安定成長期(1973-1986年)
n高度成長期は、197310月の第4次中東戦争と 第1次オイルショック を契機に終焉。
原油価格が4倍に。急激な物価上昇( 狂乱物価 )と、景気の後退によりスタグフレーションstagflationstagnation(停滞)+inflation(インフレーション))。
n1979年には、イラン・イラク戦争による 第2次オイルショック で再びダメージ。
nこの時期のGDP成長率は 4 %程度。
n重厚長大型の第2次産業から、 短小軽薄 型工業やサービス業へ移行。

(4)バブル景気(1987-1991年)
n19859月の プラザ合意 後の円高不況に対応した 金融緩和 と、 規制緩和  民活政策 により、土地や株式への 投機 
n土地や株式などの資産価格が急騰、これに後押しされて個人消費や企業の投資も拡大。
19891228日に、日経平均株価が38,91587銭を付けた。

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(5)平成不況期(1991-2003年)
  • 1989年5月から1年3カ月の間に5回の利上げ実施、公定歩合2.5%から6%へ引き上げ。マネーサプライの縮小( 金融引き締め )。
   →株価や地価下落、個人消費や企業投資も縮小。
   →金融機関も貸出資金の回収が困難になり不良債権問題が表面化。
  • 1997年4月、消費税増税(3%から5%へ)。
→景気は再び悪化。1998年にオイルショック期以来初のマイナス成長。
  • 「 失われた10年 」と呼ばれる。

(6)ポスト平成不況期(2003-2007年)
  • 小泉内閣(2001年4月26日-2006年9月26日)の下での構造改革。
  ・「 金融再生プログラム 」…2002年10月、竹中平蔵金融担当大臣(当時)が作成した、金融機関の再生(不良債権問題の解決)を目指した政策プログラム。
  ・郵政事業民営化 による財政効率化。
  ・規制緩和と地方分権の推進。
  • 2002年2月以降57カ月連続で景気拡大。…「いざなぎ越え?」
  ・一方で、景気回復の恩恵は一部の富裕層のみ。 格差社会 の発生。「実感なき景気回復」。

(7)サブプライムローン問題からアベノミクスへ(2007年-現在)
  • 2007年半ばに日経平均株価が18,000円まで回復。
  • 2007年-2008年 「 サブプライムローン問題 」発生 … 主に米国のサブプライムローンの不良債権化とその証券化商品の価格暴落によって、国際金融市場と各国経済を混乱させる原因(震源)となった。
  • 2008年9月 「 国際金融危機(リーマン・ショック) 」 … 2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが破綻したことに端を発して、続発的に世界的金融危機が発生。
  → ギリシャ財政赤字問題、ユーロ危機、ドバイ債務危機
  • 2011年3月 東日本大震災
  → 再び不況に突入(…「失われた20年(?)」)

3.2 古典派経済学とケインズ経済学

(1)古典派経済学
n市場、または人々の自由な経済活動の働きを重視。「経済は市場の自由な取引に任せておけば、社会的に望ましい状態になる」。
n供給・生産に焦点を当てる(=サプライサイド経済学
nセイ法則 Say's law:「供給はみずから需要を創り出す」

 超過供給*が生じても、価格が下落すれは超過供給は解消し需要と供給が等しくなる。

  *超過供給=供給が需要よりも多い状態。

n失業状態(労働の超過供給)も賃金率(労働価格)が下がれば、解消する!

 →1929年、ニューヨークの株価暴落に端を発した世界大恐慌において、大量の失業が発生。失業状態が解消されない!


(2)ケインズ経済学
市場機能の限界を認識して 価格や賃金の下方硬直性を主張。
  ・失業を解消するためには、モノやサービスへの需要を増やす→企業の生産量増加→企業の労働需要量増加→失業解消!
  ・有効需要の原理=「需要の大きさによって生産量や雇用量が決まる」 
政府の役割を重視
  ・世界大恐慌のような深刻な不況時には、政府が公共事業などの政府支出によって需要を増やせばよい。
■需要に焦点(= ディマンドサイド経済学 )
■ミクロ経済学とは別個の学問体系。
■短期の経済分析向き。

(3)新古典派経済学 Neoclassical economics


■市場、または人々の自由な経済活動の働きを重視。

供給・生産に焦点を当てる(=サプライサイド経済学

ミクロ経済学を基礎にマクロ経済分析をする。

 …企業(生産者)と家計(消費者)が価格に反応して自己の利潤や効用が最大となるように合理的に行動し、価格の変化を通して社会的な需要と供給の均衡が実現されるという考え方(一般均衡理論)を基礎。

市場機能を高く評価して、価格や賃金の伸縮性を強調。

長期の経済分析向き。


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じゅん

Author:じゅん
中東経済、企業金融が専門の研究者。UAE・アブダビから帰国しました。
Researcher:Middle Eastern Economy, Financial Development, and Islamic Finance
باحث: الاقتصاد في الشرق الأوسط، التنمية المالية، والتمويل الإسلامي.

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