HOME   »  たまにはシゴトしてます   »  中東の企業分析  »  [日本][企業統治]日本企業の統治構造の問題点

[日本][企業統治]日本企業の統治構造の問題点

空文化した東芝の企業統治のニュースが出ているが、こうしたことは昔から指摘されていた。

日本の企業統治構造について佐久間[2003]をもとにまとめておく。

■日本の企業間関係の特徴 … 株式相互所有、メインバンク制、役員相互派遣

1. 日本の企業統治の歴史(1990年代まで)
■1992年 証券取引等監視委員会を新たに設置 → 産業界の抵抗で権限・独立性が縮小。
■1993年 商法改正 → 監査役による監査機能強化もあまり効果を上げず。
■近年、外国の機関投資家(1990年代から)や日本の機関投資家(2000年代から)による企業統治活動が活発化?

2. 所有構造と資本市場
■日本の株式会社の所有構造
   ①法人所有比率が高い
   ②大企業間で広く株式相互所有
■日本の資本市場の構造の特徴
   ①経営者間の乗っ取りや敵対的買収を嫌悪
   ②経営者が乗っ取り防止策としての安定株主作り
   ③資金調達に占める間接金融の比率が高かったため「市場の規律」が働きにくい。
   ④金融市場に占める公的部門の比重が大きい。

3. 機能していない統治機関
■株主総会 … 非民主的な運営、多数の株主とのコミュニケーション不足
■日本企業の監査役 … ほぼ機能していない。監査役の人事権を実質的に社長が掌握しているため。内部昇進がほとんどで社内の役員中での序列も相対的に低かった。
■取締役会 … 業務執行とそれに対する監視の2つの機能が未分離。取締役の中に序列が形成。社外取締役が少ないこと、取締役会の構成人数が多いこと、取締役会のメンバーの多くに部門管理者が含まれること
■取締役と監査役の事実上の選任権を握っているのは経営者。

【参考文献】
佐久間信夫[2005]「日本の企業統治構造」佐久間信夫(編)『企業統治構造の国際比較』ミネルヴァ書房、第1章。
41ZTVNRRQ5.jpg
関連記事
Comment
Trackback
Trackback URL
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
FC2カウンター
こんな人が書いてます

じゅん

Author:じゅん
中東経済、企業金融が専門の研究者。UAE・アブダビから帰国しました。
Researcher:Middle Eastern Economy, Financial Development, and Islamic Finance
باحث: الاقتصاد في الشرق الأوسط، التنمية المالية، والتمويل الإسلامي.

■プロフィール詳細はこちら(Curriculum Vitae)
■研究成果の詳細はこちら
■研究プロジェクトの詳細はこちら

最近の記事
カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
2017年7-9月のタスク
①【消費】やりたいことだけやる ②【投資】論文2本執筆 ③【空費】体重を5kg減
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
政治・経済
189位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
経済分析
17位
アクセスランキングを見る>>
原油価格チェック
Twitterはじめました
RSSフィード
リンク
ブロとも申請フォーム
ブログ内検索
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最近インプットしたメディア