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株価の国際連動性の実証研究(イラン大統領選挙のUAE株式市場への影響 その5)

3.株式市場の連動性についての先行研究

(2)株価の国際連動性の実証研究

株価の国際連動性の研究は、先進国と途上国(主にアジア、ラテンアメリカ)を含めこれまで頻繁に行われてきた。先進国間について行われた複数の研究からは、多国間での株価連動性が認められ、特に米国から他国へという波及効果が大きいと指摘されている(Mathur and Subrahmanyam[1990]、Eun and Shin[1989])。一般に、株価が大きく下落する金融危機時に各国株価の連動性が増すことが多い(Rigobon[2003])。

GCC諸国を対象とした株価の連動性については近年いくつかの分析がされつつある(Sedik and Williams[2011]、Moosa[2010]、Omran[2008])。Sedik and Williams[2011]は、2000年代の先進国とGCC株式市場から個々のGCC株式市場へのスピルオーバーを調査し、米国とGCC市場発の変動が、他のGCC市場の変動に有意な影響を及ぼしたかどうかを分析した。その結果、GCC市場におけるショックは域内に波及しやすいことを示唆した。また、サブプライム金融危機のような国際的な金融危機時には、GCC市場は地域市場だけでなく米国からのスピルオーバー効果を受けたことも示された。

一方で、米国市場とGCC市場との連動性については、Moosa[2010]などの否定的な研究も見られる。Moosa[2010]は、2007-08年の米国株式市場からGCC株式市場への伝播を調査し、GCC株式市場の崩壊が米国市場からの伝播効果に起因していなかったことを示した。また、Moosa[2010]はGCC株式市場における株価の急落は、原油価格と国内要因によるものであったことを示したが、これはUAEの2つの株式市場(アブダビ、ドバイ)が、石油価格との強い連動性があることを報告したOmran[2008]の結果とも合致している。
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じゅん

Author:じゅん
中東経済、企業金融が専門の研究者。UAE・アブダビから帰国しました。
Researcher:Middle Eastern Economy, Financial Development, and Islamic Finance
باحث: الاقتصاد في الشرق الأوسط، التنمية المالية، والتمويل الإسلامي.

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