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戦争は、それがどう遂行され戦後の処理がどのようになされたかを追うことによって、当事者である民族の性格が実によくわかるようにできている

塩野[1992]を10年ぶりくらいに再読中。原稿に引用したりするのは難しいが、示唆に富む。以下、気になった部分の引用;

国内に不安をもつ支配者は常に、対外関係を確かなものにしようと努める。タルクィニウスはその相手を、第一には近隣のラテン族に、第二はエトルリアの諸都市に求めた(pp.105)。

植民という形で海外に飛躍したギリシア人たちは、母国から、ギリシア語とギリシアの宗教と、進取の気性と独立への執着、だけをもってきたのではなかったか。しかし、母国と植民都市のこのありようは、ギリシアとローマを分つ特質の一つでもあった(pp.150)。

しかし、改革というものは、改革によって力を得た人々の要求で再度の改革を迫られるという宿命をもつ。「ソロンの改革」も、この宿命から無縁ではいられなかった(pp.156)。

戦争は、それがどう遂行され戦後の処理がどのようになされたかを追うことによって、当事者である民族の性格が実によくわかるようにできている。歴史叙述に戦争の描写が多いのは、人類があいも変らず戦争という悪から足を洗えないでいるからというよりも、戦争が、歴史叙述の、一言ってみれば人間叙述の、格好な素材であるからだ(pp.177)。



ただ、全巻読むには相応の時間がかかるので覚悟が必要。

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)

[研究][読書]研究成果をマスメディアに報道してもらうには

せっかく頑張ってあげた研究成果を世に出すにはいくつかの方法があるが、マスメディアに報道してもらうという方法もありうる。山本[2012]は、基本的に理系研究者あるいは研究機関が、科学技術関連の成果を効率的に世に拡散する方法を述べているが、経済学などの社会科学系の成果発表についても参考になる部分は多い。

研究成果が「スクープ記事」になるための条件として、
①社会に与える影響が大きいこと
②ほかのメディアで扱われていないこと
の2つ。

研究成果をメディアに発表したい場合には、いくつかの窓口がありうる。
■特定のマスメディアの記者
■研究機関の広報部門
■マスメディアとの交際がある年長の研究者

【参考文献】
山本佳世子[2012]『研究費が増やせるメディア活用術』丸善出版、第3章
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[研究][読書]外部向けリリースを書くために

仕事柄、研究論文だけでなく専門性を薄めた外部向けの文書を書くことも多い。

わかりやすい文章を書くことを何よりも心がける必要がある。山本[2012]でも、まずは「おもしろそうだ」「すごい研究かもしれない」と感じてもらうことが第一であり、「正確さ」より「わかりやすさ」を狙うと指摘する。

そんなことを意識しながら、今回フォト・エッセイを書いてみた。

「誰がためにバスは走る~アラブ首長国連邦(UAE)バス乗り継ぎの旅」『アジ研ワールド・トレンド』2015年8月号、No.238、pp.47-50.

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<『アジ研ワールド・トレンド』2015年8月号、No.238>→こちらからどうぞ。

本業に取り掛かるまでに、しばらく時間的な猶予を頂けそうなので、今のうちにいくつか考えておきたい。

【参考文献】
山本佳世子[2012]『研究費が増やせるメディア活用術』丸善出版、第2章

[研究][読書]読者のアンテナに反応してもらうには

せっかく研究成果を発表するのであれば、反応があるほうが良い。

研究成果の普及をどうしたらよいか、山本[2012]を参考に自分の専門の中東経済について考えてみた。

読者にとって「役に立つ」記事とは何か
■読者がすぐに「活用できる」情報 … 例)米イラン関係緩和後の中東市場、、、
■「関係機関や競合相手の動向を把握できるもの」 … 例)中東における中国・韓国の、、、
■「参考になる取り組み」 … 例)湾岸アラブ諸国のイラン対応、中東企業の国際化、環境対応、、、

「おもしろい」記事とは何か
■画期的な研究成果…例)中東経済はアジアを追い越す!

画期的なものは異分野融合でしか出てこない
■「研究者は専門分野を深めることに全力を尽くせばよい」というのは過去の話?
■「一つのことを深める」+「他分野とつながるコミュニケーション」が必要

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<2015年7月 クウェートのスーパーで見つけたインドネシア製のビックリマン・チョコでなくガム。そして懐かしの「お祈り神父」。他分野の融合?>

研究資金提供側の期待するもの
■「期待値」(=そのテーマの「実現の可能性」×「実現した時の効果」)が高いもの。

提供情報は必要十分であること
■「情報は多ければよい」とは言い切れない。
■参考資料については項目だけを挙げ、「詳細はウェブで」と興味ある人だけが調べられる形にし、全体の資料は絞るのが良い。

研究論文だけでなくプレゼン資料なり報告資料についても、こうしたことを取り入れてみることにする。


【参考文献】
山本佳世子[2012]『研究費が増やせるメディア活用術』丸善出版、第1章

おだやかなやり方は、相手もそれに同意でないと成立しえない

息抜きに読んだ塩野[1993]から以下を引用。

(pp.112)しかし、何ごとにおいてもおだやかなやり方は、相手もそれに同意でないと成立しえないという次点をもつ。ローマの覇権を認め、それに従うよう求められた強国たちは、どう応じたのか。カルタゴは?マケドニアは?そしていまだにローマとは剣を交わしていない、シリアやエジプトは?


国であれ家族であれ、強権的なやり方は正悪に関わらず、長続きする。


【参考文献】
塩野七生[1993]『ローマ人の物語05 ハンニバル戦記 下新潮文庫


ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下) (新潮文庫)ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下) (新潮文庫)
(2002/07/01)
塩野 七生

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論文の構成

石黒[2014](pp.17)によると、基本的な論文の構成は以下の通り;

①問う ・・・ 目的(Introduction)
②調べる ・・・ 先行研究(Introduction)
③選ぶ ・・・ 資料と方法(Material and Method)
④確かめる ・・・ 結果と分析(Result)
⑤裏づける ・・・ 考察(Discussion)
⑥まとめる ・・・ 結論(Conclusion)

これらはあくまで基本であり、いわゆるIMRAD(Introduction, Methods, Results And Discussion)のように執筆する分野によって構成は異なる。

【参考文献】

この1冊できちんと書ける!  論文・レポートの基本この1冊できちんと書ける! 論文・レポートの基本
(2012/02/23)
石黒 圭

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論文とレポートの違い

人に「論文とはなにか」について説明するために改めて調べてみた。

石黒[2014]によると、論文の目的は、学術的に価値のある発見を論理の積み重ねによって説得すること。 問いは、自分で立てる。ウソは排除しなければならない。そして、どんなに小さくても、先行研究にない、学術的に価値のあるオリジナリティを含まなければならない。

表 小論文・レポート・論文の違い
   目的  問い  ウソ  オリジナリティ 
小論文  試験に合格  与えられる  ある程度許容  不要 
レポート  理解を報告  与えられる  認められない  必須ではない 
論文  発見を論証  自分で立てる  認められない  必須 
(出所)石黒[2014]


【参考文献】
この1冊できちんと書ける!  論文・レポートの基本この1冊できちんと書ける! 論文・レポートの基本
(2012/02/23)
石黒 圭

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Bookmall - Al Qasba

シャルジャのブックフェアに行く前の腹ごしらえに立ち寄ったAl Qasba

Eye of the Emirates - Al Qasba

運河の両岸にカフェやらレストランやらが並んでます。木陰もあるので子連れのママグループもちらほら。

海側のYOKU MOKU隣にBookmallなる書店を発見。英語ビジネス誌と仏語書籍がおいてありました。

Bookmall at Al Qasba

中東地域における東インド会社の活動はまとめておきたい

jurian777

後読→栄光から崩壊へ : オランダ東インド会社盛衰史 / 科野孝蔵著. -- 同文舘出版, 1993.
11-03 14:07

後読→Inside inequality in the Arab Republic Egypt / Paolo Verme ... [et al.] ; : paper. -- World Bank, 2014. -- (A World Bank study).
11-03 14:09

GCC諸国の観光産業の分析をやってみたいと妄想しつつ

GCC諸国の観光産業の分析をやってみたいと妄想しつつ、購入した一冊(20AEDで買えた!)がこれ。 
Tribe, John and David Airey[2007]“Developments in Tourism Research,”Routledge
全くの門外漢なので、一から勉強してみたい。気になる章は、

・A Review of Tourism Research
・Measuring and Reporting the Impact of Tourism in Poverty
・Productivity and Yield Measurement in Australian Inbound Tourism using Tourism Satellite Accounts and General Equilibrium Modelling
・Tourism and Regional Competitiveness

こんなところ。観光をどう計測し評価するかというところに主な関心あり。ある研究者が観光産業に関心を持っていたので、一緒に出来ないかなあと。


Developments in Tourism Research (Routledge Advances in Tourism)Developments in Tourism Research (Routledge Advances in Tourism)
(2007/09/10)
不明

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じゅりあん

Author:じゅりあん
中東経済、企業金融が専門の研究者。UAE・アブダビから帰国しました。
Researcher:Middle Eastern Economy, Financial Development, and Islamic Finance
باحث: الاقتصاد في الشرق الأوسط، التنمية المالية، والتمويل الإسلامي.

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2015年7-9月のタスク
①【消費】日本での生活を早く立て直す ②【投資】英語論文を75%執筆 ③【空費】体重を10kg減
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