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【同族企業】ドバイのパキスタン系ファミリービジネスのケーススタディ

Spraggon, Bodolica, and Manoussifar. (2014)は、UAEのファミリービジネスの継承の管理の課題についてのケーススタディを行った。対象となったケースは、ドバイの小規模自動車修理企業Raja Garage Ltd.。


創業者Izat Rajaは、パキスタンの故郷の村で叔父の自動車修理を手伝っていたが、Javeriaと結婚しカラチでGeneral Mortorsの組立ラインで働く。その後、ドバイのAl Futtaim Motorsの労働者に応募。1975年に、Izatは26歳で妻と2人の娘を連れてUAE移住。1978年に、Al Futtaim Motorsの元同僚のパキスタン人Ali Ahmedの自動車修理工場(inデイラ)で働く。個人タクシー運転手(パシュトゥン系)を顧客に評判を高めたが、1983年、デイラの外国人人口急増により、ドバイ政府がデイラ地区の自動車関連工場を立ち退くよう指示。


Izatは、現地パートナーであるNasser Al Shamsiに出資してもらい、工場と用地、機械を購入。1985年Raja Garage Ltd.設立(Umm Rammol in Rashdiya)。1989年、18歳の甥Waleedが従業員として参加。長男Kamranが誕生。


 



ドバイでの交通量の増加と交通事故の増加が経営を後押しし、1989年にはRaja Garage Ltd.は損益分岐点を超える。しかし、1996年、ドバイ運輸局が民間タクシー会社を認可。 Raja Garage社の顧客が50%減少し経営困難に。1997年、 Izatの友人Hamza Rizvi(金属旋盤技術持ち)が訪問。 Izatは、事業を多角化して製造業へ広げるか(Hamza Rizvi)、専門特化し高度化するか(甥Walled)選択を迫られ、結局、多角化し旋盤部門を 友人Rizviに委任。Izatの銀行口座も共有(Izat Rajaは、事業資金と個人資金を一口座で管理していた)。


2002年、 友人Rizviが家族とともに事業資金を持ち逃げし、Raja Garage社が経営困難に陥るIzatは経営困難の中でも従業員を解雇せず。Izatは家族だけで事業を行うことを決意した。


2007年までに経営が持ち直すが2008年に前例のない経済危機。Waleedが自動車のカスタマイズサービス(内装や塗装)を開始し評判を得る。


1989年生まれの息子Kamranは、学校で英語を習い始め、放課後は工場で請求書の翻訳を手伝う。Waleedの横で自動車のメカニックと会社手続きを学ぶ。2007年にドバイ・アメリカン大学(AUD)機械工学部に入学。パキスタン人文化倶楽部などの課外活動に熱心。経営学も学ぶ。


Kamranは、Raja Garage Ltd.のアシスタント・マネジャーに就任。当時、財務記録のない経営と雑な財務管理。従業員に対して厳格になった父Izatだったが、寛大なIzatのおかげで市場内で評判も良い。しかし、新技術の導入に保守的なIzat。従業員も高齢化し技術も陳腐化。


Kamranは、 Raja Garage Ltd.を将来引き継ぐために、財務知識を持ち国内に人脈をもつ学友のBilalを経営に入れたいと考えた。収益率の悪化したWaleedのカスタマイズ部門をたたみ、本業の自動車修理業に回帰。未熟練従業員を解雇。父Izatと経営の変更について話し合うも決裂。父は親族以外を経営に参画させることに反対。


<参考文献>
Spraggon, M., Bodolica, V., and Manoussifar, M. (2014). Addressing Family Business Challenges. In M. Spraggon and V. Bodolica (Eds.), Managing Organizations in the United Arab Emirates (pp. 111-164). New York; USA: Palgrave Macmillan.







【財閥】財閥の類型化(植村,1979)

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【財閥】森川英正. (1980). 『財閥の経営史的研究』 東洋経済新報社

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【現地調査】「湾岸諸国のファミリービジネスに関する基礎調査」(カタル・オマーンおよびUAE、2017年10月27日-11月11日)

調査課題:湾岸諸国のファミリービジネスに関する基礎調査
調査国・地域:カタル・オマーンおよびアラブ首長国連邦
調査期間:2017年10月27日-11月11日

Doha.jpg Muscat.jpg UAE.jpg 
  <ドーハでの調査>   <マスカットでの調査>     <UAEでの調査>

調査の概要:湾岸諸国において株式市場に上場していない企業情報を収集する際に、各国の商工会議所は有力な情報源の一つである。多くの商工会議所で登記情報を冊子体や電子媒体で公開している。しかし、多くの場合公開情報は、企業名・住所・アクセス先などに限定されており、アブダビなどの一部の国を除き資本金などの基礎的な財務データも非公開である。現地研究機関でもこれら詳細な企業情報を把握していない。ただし、一部のビジネスグループでは、近年のコーポレートガバナンス対策の過程で傘下企業の情報開示にも積極的である。たとえば、ドバイのMajid Al Futtaimグループはガバナンス向上に積極的に取り組んでおり、現地研究機関による研究レポートなども数は少ないが発表されている。また、他にもバハレーンのKanoグループやドバイのAl Habtoorグループなどでは研究書や創業者による自伝などがあり、本研究の参考文献として利用可能である。

現地の有力ファミリーの情報については、近年、プライベート保護意識の高まりを背景に、家系図やファミリー成員の詳細な事業活動などの情報はより入手困難になっている。ただし、現地アラビア語紙の死亡記事などを収集することで完全ではないもののファミリーの成員について把握することが可能であることが分かった。今回の調査で現地研究機関との協力の内諾を得たことは大きな収穫であった。





【企業】湾岸諸国における商業・法人登記

湾岸諸国のファミリービジネスの研究を進めるうえで、詳細な企業情報は必要不可欠である。各企業の年次報告書や投資家向けのプレゼン資料などを参照することも多い。

以前、ラテンアメリカのファミリービジネス研究者の方から伺った時には、このほかにも各国の「登記所資料」(注1)が有用とのことだった。自身の不勉強が原因で「湾岸諸国の登記所」のアイデアを聞いた時にはいまいちピンとこなかった。

そもそも、「商業・法人登記」とは,日本の法務局HPの説明によれば、「会社等に関する取引上重要な一定の事項(商号・名称,所在地,代表者の氏名等)を、法務局の職員(登記官)が専門的な見地から審査した上でコンピュータに記録し、その記録を一般の方に公開することによって、会社等の信用維持を図るとともに、取引の相手方が安心して取引できるようにすることを目的とするもの」である。

大企業でも株式を一般公開している企業もあり、上場企業でも株式の大半が政府に所有されている湾岸諸国の企業にとって、企業情報を積極的に一般公開する動機付けは十分でない。

とはいえ企業情報へのアクセスは部分的に可能ではある。湾岸諸国で国内の企業情報を一括管理している政府機関としては「商工会議所(Chamber of Commerce and Industry)」が思いつく。ドバイの商工会議所では企業情報の照会もできたかと記憶している。

 埋め込み画像 1
<フジャイラ商工会議所2015年5月撮影>

今後、現地調査しながら湾岸諸国の商業・法人登記の照会先をリストアップしていきたい。
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【カタル】OITCグループ(OITC Group)

グループ名:  OITCグループ(OITC Group)
主要部門:   建設
グループ総裁: Mohammed Noor Al Obaidly
創設者:
創設年:1978年
支配家族:Obaidly家
(出所)OITC GroupのWebsite(2017年8月31日アクセス)




【カタル】財閥の一覧(整理中)

カタルのファミリービジネスの調査のため、財閥の一覧を整理中。随時加筆していくことにする。

首長家系ビジネスグループ
1.Mannai Corporation(Thani家)
2.Aamal Company(Thani家)
3.Hamad bin Khalid (HBK) Group(Thani家)

民間系ビジネスグループ
1.Jaidah Group(Jaidah家)
2.OITC Group(Obaidly家)→詳細
3.Salam International Investment Limited (SIIL)(Abu Issa家)
4.Buzwair Group(Buzwair家)
5.Mohammed Hamad Al Mana Group(Mana家)
6.Al Muftah Group(Muftah家)

やや古い邦語資料には日本貿易振興会 (1997)があり、カタルの主要な財閥のリストを掲載している;
・アブドゥッラー・アブドルガーニ・アンド・ブラザーズ
・アル・ジャベール・トレーディング・アンド・コントラクティング
・アルムフタ・グループ
・ガネム・アル・サーニ・ホールディングス
・マナイ・グループ
・モベル・デコー・アンド・コンサルティング
・ナッサ・ビン・ハリード・アル・サーニ・アンド・サンズ・ホールディングス
・ペトロ・サーブ
カタル・インダストリアル・マニュファクチャリング・カンパニー
カタル・ナショナル・ナビゲーション・アンド・トランスポート
・ラフコ
・サラーム・ホールディングス/サラーム・グループ
・テイシール・トレーディング・アンド・コントラクティング
・チボリ・グループ




【アブダビ/シャルジャ】財閥の一覧(整理中)

やや古い邦語資料だが日本貿易振興会 (1997)はアブダビとシャルジャの主要な財閥のリストを掲載している;

アブダビ基盤の財閥グループ
  • アル・オタイバ
  • アル・ハミド
  • アル・ファヒム
  • アル・マスード
  • オメイル・ビン・ユースフ
 
シャルジャ基盤の財閥グループ
  • ギブカ
  • ナショナル・インベストメント・カンパニー
  • ブカチール

<参考文献>
日本貿易振興会(1997)『湾岸諸国における財閥の形成と商業代理店法』 日本貿易振興会.



【ドバイ】財閥の一覧(整理中)

やや古い邦語資料だが日本貿易振興会 (1997)はドバイの主要な財閥のリストを掲載している;

  • アル・オワイス
  • アル・ガンディー
  • アル・ナブーダー/ハリーファ・ジュマ・ナブーダ
  • アル・ハブツール・グループ
  • アル・フッタイム/マジド・アル・フッタイム/アル・フッタイム・サンズ
  • アル・ロスタマニー
  • ガラダリ・ブラザーズ
  • ジュマ・アル・アマジッド
  • ユースフ・ハビブ・アル・ユースフ
  • アル・タイヤ―・グループ

【企業】星野妙子. (2004). 衰退か退化か-岐路に立つ発展途上国のファミリービジネス. In 星野妙子 (Ed.), ファミリービジネスの経営と革新-アジアとラテンアメリカ (pp.3-28). アジア経済研究所.

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Jun SAITO(جون سايتو)

Author:Jun SAITO(جون سايتو)
中東湾岸諸国経済、企業金融が専門の研究者。UAE・アブダビから帰国しました。
Researcher:Gulf Arab Economy, Financial Development, Family Business and Islamic Finance.
باحث: الاقتصاد في الشرق الأوسط، التنمية المالية، والتمويل الإسلامي.

■プロフィール詳細はこちら(Curriculum Vitae)(السيرة الذاتية):作成中
■研究成果の詳細はこちら
■研究プロジェクトの詳細はこちらResearch Projects

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