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【マクロ】第6回 貯蓄と投資の均衡とIS曲線

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【マクロ】第5回 乗数効果と政府支出

1.乗数効果



(1)モデルの基本設定(政府部門のない場合


■政府部門を考慮しない経済モデル       …前回の復習

    ・財の総需要YD、家計の消費C、企業の投資I、政府支出G

    ・消費関数:C=a+bY a: 基礎消費 、b: 限界消費性向、ただし a > 00 1

    ・投資関数: I = Ī



■このときの所得決定式;

    ∴ 𝑌={1/(1b)}×( a + Ī )



■これが成立するYは、財市場を均衡させる 均衡国民所得 Y*


    5.1 45度線図(政府部門がない場合)

埋め込み画像 1


(2)乗数効果

■いま投資 Ī 1単位増加( ∆Ī= 1 )したとする。このとき均衡国民所得は

 ∆Y=1/(1-b)×∆Ī

 より 1/(1-b) 増加する。

0 ≤ 𝑏 ≤ 1なので、1≤1/(1-b) 。つまり「1単位の投資の増加によって、1単位以上の国民所得が増加する」。 =「 投資の乗数効果*

■このときの 1/(1-b) を投資乗数と呼ぶ。 投資の変化量の何倍国民所得が変化するか。


    5.2 投資の拡大(Ī+1= I1  )と国民所得の増加

埋め込み画像 2


*乗数効果の意味

■「限界消費性向 b = 0.8 のとき、投資乗数 1/(1-b) = 5 」とはどういうことか?

■たとえば、1兆円の追加的な投資が行われたとき、

1兆円の投資需要増加 → 1兆円の生産増加 → 1兆円の所得増加

  → 8000億円の消費増加 → 8000億円の生産増加 → 8000億円の所得増加  

  → 6400億円の消費増加 → 6400億円の生産増加 → 6400億円の所得増加 

  → 

 

 所得の増加は、

      1兆円+8000億円+6400億円+、、、 =5兆円

 ∴ 「1兆円投資が増加したとき、その5国民所得が増える」


2.政府部門のある所得決定モデル

(1)モデルの基本設定(政府部門のある場合)

■経済モデルを単純化するために、以下を仮定する;

    i)市場は財市場のみ。(労働市場と資産市場は無視)

    ii)経済主体は家計企業政府

    iii閉鎖経済(海外部門は無視)

■財の総需要YD (=国内総支出)の定義;家計の消費、企業の投資、政府支出Gとすると、財の総需要YDは、

    YD=C+I+G


(2)政府財政:政府支出と租税

■政府の財源として租税 TTaxとすると、消費関数は、

    C = a + b ( Y - T )  

 となる。ただし a > 00 ≤ b ≤ 1

このとき、 ( Y - T )  は可処分所得disposable income、経済主体の手元に残った処分可能な所得)

 

■政府財政について、政府支出G と租税 T(=税収、政府収入) より、

    G = T のとき、財政均衡 balanced budget)

    G > T のとき、財政赤字 budget deficit

    G < T のとき、財政黒字budget surplus

 

(3)政府部門のある場合の市場均衡

■消費関数 C = a + b( Y - T )と投資関数 I = Ī を代入した財の総需要YD  、総供給YSの定義、そして財市場の均衡条件式より、

    YD= a + b( Y - T ) + Ī +G

    Y=Y

    Y= Y 

 これらの式より、

    Y= a + b( Y - T ) + Ī +G

     ∴ Y* = {1/(1-b)}×( a - bT + Ī +G )

 このY*が政府部門のある場合の均衡国民所得


(4)政府部門のある場合の乗数効果

■政府部門のある場合の均衡国民所得の決定式より、

    ∆Y/∆G = 1/(1-b)  政府支出乗数.

    ∆Y/∆T = -b/(1-b)    政府支出乗数.

    ∆Y/∆G+∆Y/∆T = 1/(1-b)-b/(1-b)=1  均衡財政乗数.


<参考文献>大野裕之『マクロ経済学のエッセンス』創成社

【マクロ】第4回 消費関数、投資関数と45度線分析

第4回 消費関数、投資関数と45度線分析


1.政府部門のないマクロ経済モデル

(1)モデルの基本設定

■経済モデルを単純化するために、以下を仮定する;
i)市場は財市場のみ(労働市場と資産市場は無視)
ii)経済主体は家計企業の2つのみ(政府は無視)
iii)閉鎖経済(海外部門は無視)

財の総需要YD=国内総支出)の定義;家計の消費C 、企業の投資I(*) 、政府の政府支出Gとすると、財の総需要YDは、

YD=C+I+G

■ここでは政府は考えない( G=0 )ので、財の総需要YDは、
YD=C+I

(*)経済学でいう「投資」とは、機械や工場などの資本財を増加させる経済行動をいう。資本形成。

(2)消費関数

■消費Cは所得Yに依存して決まるとすると、
C=F(Y)  : 消費関数 (CはYの関数)
C=a+bY 
 と単純化することができる。ただし a > 0、0 ≦b≦1。
■a : 基礎消費 (所得がない( Y=0 )ときの消費額)
■b : 限界消費性向 (所得が1単位増加したときに消費が何単位増加するか)

    図4.1 消費関数
埋め込み画像 1

(3)投資関数

企業の投資Iは、単純化のため国民所得Yに影響されないとし、常にĪと仮定すると、

I = Ī : 投資関数実際には利子率などに影響されるが、ここでは無視

これを図示すると、

    図4.2 投資関数
埋め込み画像 1


2.45度線分析と所得の決定

(1)総需要と総供給

■財の総需要YDは、
        YD=C+I
YD=a+bY+Ī 総需要の決定式
財の総需要YDを図示すると、

    図4.3 総需要
埋め込み画像 1

■財の総供給YSは、企業の付加価値の合計(=国内総生産)。
■このモデルでは、経済主体は企業と家計のみ。したがって、企業の総生産は、企業と家計の総所得(企業内留保と賃金)になるので、財の総供給YSは国民所得Yと等しくなる。…「GDPの三面等価」

        YS=Y  :総供給の決定式

財の総供給YSを図示すると、45°線で表すことができる。

    図4.4 総供給
埋め込み画像 2


(2)市場均衡

■財の総需要と総供給が等しいとき、財市場が 均衡 する。
    総需要の決定式: YD = a + bY + Ī
    総供給の決定式: YS = Y
    財市場の均衡条件: YD = YS
より、
    Y = a + bY + Ī
   ∴ Y =(1/(1-b))×(a + Ī)
これが、成立するYは、財市場を均衡させる均衡国民所得Y* 。

    図4.5 45度線図(政府部門がない場合)
埋め込み画像 1


<参考文献>大野裕之『マクロ経済学のエッセンス』創成社

【マクロ】第3回 わが国の戦後のマクロ経済概観

3.1 わが国マクロ経済の歩み

(1)戦後復興期(1945-1954年)
nGHQの指導のもと経済の民主化を推進
 財閥解体   
 農地解放  
 労働権の確立  

n傾斜生産方式194649年、戦後経済復興のための重点生産政策として実行された産業政策。「石炭,鉄鋼超重点増産計画」という名のもとに推進。)

→ 復金インフレ (194748)


n朝鮮戦争19501953年)を転機に、日本は経済復興(=朝鮮特需)。

緊縮財政ドッジラインにより復金インフレは沈静化。…19492月、GHQ財政金融顧問ジョゼフ・M.ドッジ(デトロイト銀行頭取)の指導に基づき、同 1949年から吉田内閣が実施した一連の経済財政政策。

(2)高度成長期(1955-1973年)
n史上類のない経済拡張の時代
 神武景気   1955年~1957年の31ヶ月。
 岩戸景気   19586月~196112月まで42ヶ月間。
 オリンピック景気   196211月~196410月。
 いざなぎ景気   196510月~19707月の57か月。

n 重厚長大 の工業化
nGNPはこの時期に約6倍(GDPも約5倍)に拡大。GDP成長率は10%前後。1968年にはGNPで米国に次ぐ世界第2位の経済大国に。国民生活の飛躍的向上。
・「3種の神器」=テレビ、冷蔵庫、洗濯機
・「新3種の神器」=カラーテレビ、クーラー、自動車
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n一方で4大公害病などの環境破壊が進行。

(3)安定成長期(1973-1986年)
n高度成長期は、197310月の第4次中東戦争と 第1次オイルショック を契機に終焉。
原油価格が4倍に。急激な物価上昇( 狂乱物価 )と、景気の後退によりスタグフレーションstagflationstagnation(停滞)+inflation(インフレーション))。
n1979年には、イラン・イラク戦争による 第2次オイルショック で再びダメージ。
nこの時期のGDP成長率は 4 %程度。
n重厚長大型の第2次産業から、 短小軽薄 型工業やサービス業へ移行。

(4)バブル景気(1987-1991年)
n19859月の プラザ合意 後の円高不況に対応した 金融緩和 と、 規制緩和  民活政策 により、土地や株式への 投機 
n土地や株式などの資産価格が急騰、これに後押しされて個人消費や企業の投資も拡大。
19891228日に、日経平均株価が38,91587銭を付けた。

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(5)平成不況期(1991-2003年)
  • 1989年5月から1年3カ月の間に5回の利上げ実施、公定歩合2.5%から6%へ引き上げ。マネーサプライの縮小( 金融引き締め )。
   →株価や地価下落、個人消費や企業投資も縮小。
   →金融機関も貸出資金の回収が困難になり不良債権問題が表面化。
  • 1997年4月、消費税増税(3%から5%へ)。
→景気は再び悪化。1998年にオイルショック期以来初のマイナス成長。
  • 「 失われた10年 」と呼ばれる。

(6)ポスト平成不況期(2003-2007年)
  • 小泉内閣(2001年4月26日-2006年9月26日)の下での構造改革。
  ・「 金融再生プログラム 」…2002年10月、竹中平蔵金融担当大臣(当時)が作成した、金融機関の再生(不良債権問題の解決)を目指した政策プログラム。
  ・郵政事業民営化 による財政効率化。
  ・規制緩和と地方分権の推進。
  • 2002年2月以降57カ月連続で景気拡大。…「いざなぎ越え?」
  ・一方で、景気回復の恩恵は一部の富裕層のみ。 格差社会 の発生。「実感なき景気回復」。

(7)サブプライムローン問題からアベノミクスへ(2007年-現在)
  • 2007年半ばに日経平均株価が18,000円まで回復。
  • 2007年-2008年 「 サブプライムローン問題 」発生 … 主に米国のサブプライムローンの不良債権化とその証券化商品の価格暴落によって、国際金融市場と各国経済を混乱させる原因(震源)となった。
  • 2008年9月 「 国際金融危機(リーマン・ショック) 」 … 2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが破綻したことに端を発して、続発的に世界的金融危機が発生。
  → ギリシャ財政赤字問題、ユーロ危機、ドバイ債務危機
  • 2011年3月 東日本大震災
  → 再び不況に突入(…「失われた20年(?)」)

3.2 古典派経済学とケインズ経済学

(1)古典派経済学
n市場、または人々の自由な経済活動の働きを重視。「経済は市場の自由な取引に任せておけば、社会的に望ましい状態になる」。
n供給・生産に焦点を当てる(=サプライサイド経済学
nセイ法則 Say's law:「供給はみずから需要を創り出す」

 超過供給*が生じても、価格が下落すれは超過供給は解消し需要と供給が等しくなる。

  *超過供給=供給が需要よりも多い状態。

n失業状態(労働の超過供給)も賃金率(労働価格)が下がれば、解消する!

 →1929年、ニューヨークの株価暴落に端を発した世界大恐慌において、大量の失業が発生。失業状態が解消されない!


(2)ケインズ経済学
市場機能の限界を認識して 価格や賃金の下方硬直性を主張。
  ・失業を解消するためには、モノやサービスへの需要を増やす→企業の生産量増加→企業の労働需要量増加→失業解消!
  ・有効需要の原理=「需要の大きさによって生産量や雇用量が決まる」 
政府の役割を重視
  ・世界大恐慌のような深刻な不況時には、政府が公共事業などの政府支出によって需要を増やせばよい。
■需要に焦点(= ディマンドサイド経済学 )
■ミクロ経済学とは別個の学問体系。
■短期の経済分析向き。

(3)新古典派経済学 Neoclassical economics


■市場、または人々の自由な経済活動の働きを重視。

供給・生産に焦点を当てる(=サプライサイド経済学

ミクロ経済学を基礎にマクロ経済分析をする。

 …企業(生産者)と家計(消費者)が価格に反応して自己の利潤や効用が最大となるように合理的に行動し、価格の変化を通して社会的な需要と供給の均衡が実現されるという考え方(一般均衡理論)を基礎。

市場機能を高く評価して、価格や賃金の伸縮性を強調。

長期の経済分析向き。


【マクロ】第2回 国民所得の概念

1.国民所得の概念


(1)国内総生産(GDP)


■経済活動の「活況度」をどのように測るか?
■国内総生産(Gross Domestic Product;GDP)
  =一定期間(通常は1年間)に国内生産されるすべての財とサービスの合計。経済活動の活況の程度、経済の大きさを表す。
  ①「国内」:GDP=消費+投資+政府支出+輸出-輸入
  ②「総」:固定資本減耗*を含む。
  ③「生産」:「付加的な生産物」。全体の生産額から原材料投入分を引いたものが「付加価値」。この付加価値の合計がGDP。 

* 固定資本減耗…機械などの生産設備が使っているうちに故障や老朽化が進んで能力が落ちる。その価値の低下分(減価償却)。GDPから固定資本減耗を差し引いたものを国内純生産(Net Domestic Product)と呼ぶ。

GDPは「付加価値」の合計
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■GDPは付加価値の合計なので、この経済のGDPは 10+20+30=60円。
■原材料費や仕入れ値はGDPに計上されないことに注意!

(2)国民総生産(GNP) … 国民総生産(GNP;Gross National Product )/海外からの純所得

国内総生産(GDP;Gross Domestic Product) とは、1年間に国内で生産されるすべての財・サービスの付加価値の総計。
国民総生産(GNP;Gross National Product ) とは、1年間に国民が生産したすべての財・サービスの付加価値の総計。 GDPに海外からの純所得を足したもの。
  ・海外からの純所得=海外在住の国民の生産額-国内の外国人の生産額
  ・海外にいる日本人の所得は日本のGDPに含まれないが、日本のGNPには含まれる。
  ・経済指標として、かつてはGNPが用いられたが、最近ではGDPを用いるのが一般。経済の国際化の進展により、国内の経済活動のほうがより重視。

(3)GDPの三面等価
生産面 : GDPは各産業が生産した財・サービスの生産額の合計。
分配面 : GDPは国内で得られた所得の合計。この代金を受け取った企業は、賃金・利潤・配当・利子・地代などとして分配。
…生産されたGDPは誰かの所得として分配される。
支出面 : 国内で生産された付加価値にどれだけ支出があったか。GDPはその支出の合計。財・サービスの買い手は、消費・投資・政府支出・貿易取引として代金を支払う。

■結果的に、GDPは生産面、分配面、支出面から見て全て等しくなる。

i) 生産面から見たGDP
     国内総生産GDP
         =産業1の付加価値
+産業2の付加価値
+産業3の付加価値
+・・・

ii) 分配面(所得面)から見たGDP
■国内総所得GDI(Gross Domestic Income)
=雇用者所得+営業余剰+間接税-補助金+固定資本減耗

   ・雇用者所得compensation of employees…雇用者に支払われる賃金など雇用主の負担金
   ・営業余剰Operating surplus…経営者や株主に対する報酬の支払い

■国民所得NI(National Income)
=GDI-固定資本減耗-(間接税-補助金)

iii) 支出面から見たGDP
■国内総支出GDE(Gross Domestic Expenditure)
=消費+投資+政府支出+輸出-輸入
          =(消費+投資+政府支出)+(輸出-輸入)
          =(内需)+(外需)

iv) GDPの三面等価

   国内総生産GDP ≡ 国内総所得GDI ≡ 国内総支出GDE

どのような場合でも常に成立(恒等式)。

<国内純生産NDPや国民純生産GNPの三面等価>
■同様に、Cfc:固定資本減耗とすると
GDP- Cfc ≡GDI- Cfc ≡GDE - Cfc
より 国内純生産NDP  ≡ 国内純所得NDI ≡ 国内純支出NDE

■また、Iin:海外からの所得流入、 Iout:海外からの所得流入とすると
GDP+(Iin - Iout) ≡GDI +(Iin - Iout) ≡GDE +(Iin - Iout)
より 国民純生産GNP ≡ 国民純所得GNI ≡ 国民純支出GNE
■国内純生産NDPと国民純生産GNPについても三面等価が成立。


2.2 いくつかの基礎概念

 (1)名目値と実質値
  • 名目GDP とは、各時点の価格で計った国内総生産。
  • 実質GDP は、基準時点の価格で計った国内総生産。
  • 名目GDPと実質GDPの比率は GDPデフレーター と呼ばれる。 …物価の変化の判断に用いる。

GDPデフレーター = 名目GDP/実質GDP

  • GDPデフレーターが1以上(100%以上)であれば、物価上昇 ( インフレーション )。
  • GDPデフレーターが1以下(100%以下)であれば、物価下落 ( デフレーション )。

 (2)フローとストック

経済学で扱う数値や変数は、一般的に2種類に分類。
  • フロー(flow) は、ある一定期間に計測される変数の概念。
   例)1年間に不忍池に流れ込んできた水量。
  • ストック(stock)は、ある一時点で計測される変数の概念。
   例)現時点における不忍池に溜まっている水量。

<イメージ>
流入fと流出gがある状態で、水槽に水量Sがたまっているとする。この水量Sがストックを表し、流入fと流出gがフローを表す。

埋め込み画像 1

数式で表現すると、
  St  = t年1月1日の時点におけるストック
  St+1 = その1年後のt+1年1月1日の時点におけるストック
  ft  = t年1月1日からt年12月31日までの期間に流入するフロー
  gt  = t年1月1日からt年12月31日までの期間に流出するフロー
このとき、次の式が成り立つ;
St+1 = St + ft - gt


<参考文献>大野裕之『マクロ経済学のエッセンス』創成社

【マクロ】第1回 マクロ経済学の基礎概念

1.マクロ経済学の基本概念

(1)マクロ経済学とミクロ経済学

マクロ経済学とミクロ経済学の違い
■「マクロ経済学」・・・数多くの人間の経済の営みを対象とした学問。
  例)日本経済、アジア経済、国際経済
■「ミクロ経済学」・・・一人の個人や一つの企業の経済の営みを対象にした学問。
  例)個人、企業、産業、市場
■マクロ経済学 は、ミクロ経済主体の行動の結果を代表的な変数に「集計」して分析。
■集計された変数の例・・・国内総生産(GDP)、インフレ率、失業率、為替レート、国際収支、経済成長率、利子率など。


(2)4つの経済主体


経済主体 economic agent」・・・社会で経済活動を営む単位。

■基本的には4つの経済主体が経済活動を行う。

  ①家計 household

  ②企業 company

  ③政府 government 

  ④海外 overseas


011.png 

<4つの経済主体、筆者撮影





(3)3つの市場


■「市場(しじょう、market)」・・・モノやカネなどが売買される場所

■3つの市場

  ① 財 市場(product market) ・・・モノとサービスの取引。生産物市場。

  ② 労働 市場(labor market) ・・・労働契約の場。

  ③ 資産 市場(capital market)  ・・・カネ(株や債券など)の売買。


022.png 

<3つの市場、筆者撮影>




【マクロ演習】講義内容

今年度もマクロ経済学の演習の講義を担当します。講義メモを連載していきます。

講義内容は以下の通り;

  2.1 国民所得の概念
  2.2 いくつかの基礎概念 
  3.1 わが国マクロ経済の歩み
  3.2 古典派経済学とケインズ経済学
第4回 財市場①−消費関数・投資関数と45度線分析
第5回 財市場②−乗数効果と政府支出
第6回 財市場③−貯蓄と投資の均衡とIS曲線
第7回 財市場④−財政政策
第8回 資産市場①−資産とはなにか
第9回 資産市場②−貨幣供給
第10回 資産市場③−貨幣需要
第11回 資産市場④−金融政策
第12回 IS-LM分析①−財政金融政策の効果
第13回 IS-LM分析②−クラウディングアウトと分析の限界

今回は、基礎的なマクロ経済学のテキストの前半部分が講義対象になっています。

テキストは大野裕之『マクロ経済学のエッセンス』創成社 を指定しています。

【研究】Curriculum Vitae

EDUCATION

 

Hitotsubashi University, Tokyo

Ph.D., Economics, September 2014.

Concentrations: Developing Economy, Corporate Finance

Dissertation:The Role of Business Groups in Philippine Corporate Finance

M.A., Economics, March 2001.

Concentrations: Banking Industry

Thesis: Profit Efficiency of the Philippine banking Industry

B.A, Economics, March 1999

 

RESEARCH AND TEACHING INTERESTS

Middle Eastern economy

Financial development

Corporate governance

Corporate finance

Business group

Banking industry

Islamic finance

Financial market

 

PUBLICATIONS / BOOKS

 

“Fiscal Structure of the United Arab Emirates and the Introduction of Value Added Tax,” Middle East Review No.5, May 2017. (in Japanese)

“Boards of Directors and Bank Performance in United Arab Emirates,” IDE Discussion Papers No.583, March 2016. (in English)

“UAE’s Economic Relations with Iran: The current state and outlook,” Middle East Review No.3, May 2016. (in Japanese)

“Impact of Iran's presidential election on the UAE financial market,” Journal of Middle Eastern Studies, No.519, February 2014. (in Japanese)

 

“Contribution of, and Issues Faced by, Japanese Companies in UAE Economic Development: A Comparison with South Korea,” in The Middle East Turmoil and Japanese Response, ed. Hitoshi Suzuki, IDE-JETRO, 2013. (in English)

“Changes in UAE’s Economic Cooperation with North Africa Countries” in Ichiki Tsuchiya eds., ‘Arab Spring’ and the Middle Eastern countries' Foreign Policies, IDE-JETRO, August 2013. (in Japanese)

“Mutual Expansion of Telecommunication Companies in GCC countries,” in Ichiki Tsuchiya eds., International development by Companies in the Middle East, IDE-JETRO, March 2013. (in Japanese)

“Influence of Liberalization Policy to the Market in Bahrain Telecommunication Industry,” Ajiken World Trends, No.186, pp.37-44, March 2011. (in Japanese)

“Islamic Financial Institutions in the Gulf Countries,” Miki Hamada and Sadashi Fukuda, eds., Islamic Finance Spreading to the World, IDE-JETRO, December 2010. (in Japanese)

“A Survey of the MENA Financial System Studies,” The Contemporary Middle East, No.44, pp.37-49, January 2008. (in Japanese)

 

 

PRESENTATIONS

 

"Stock Market Contagion thorough the Remittance: the Experience of the GCC, Asia and Arab Countries, " Autumn Conference of Japan Association for Asian Studies in Kitakyushu City, November 2016.

"Board Directors and Bank Performance in United Arab Emirates," Spring Conference of Japan Society of Monetary Economics at Musashi University, May 2016.

"Analysis of Efficiency of Bahraini Banking Sector," Autumn Conference of Japan Society of Monetary Economics at Kobe University, September 2010.

 

 

TEACHING EXPERIENCE

Lecturer, Rikkyo University, Principles of Economics, 2007 – 2009.

Lecturer, Tokyo University of Foreign Studies, Middle Eastern Economies, 2008 – 2013.

Lecturer, Toyo University, Macro Economics / Micro Economics, 2016 – present.

 

 

RESEARCH EXPERIENCE

Associate Senior Researcher, Area Studies Center, Institute Developing Economies (IDE-JETRO), 2011 – present.

Visiting Researcher, UAE University, 2013 – 2015.

       Researcher, Area Studies Center, Institute Developing Economies (IDE-JETRO), 2006 – 2011.


[医療]医療経済学の基礎

ひょんなことから「医療経済学」について触れる機会があった。

全くの門外漢なので「医療経済学」とは何かというところから学習する必要がある。真野[2012]の入門書をもとにまとめておきたい。

1. 医療に応用できる経済学の方法論

■組織の経済学(産業組織論) …医療についてSCPパラダイムの適用
■公共選択論 …市場以外の領域でも「合理的経済人」の存在を想定
■ゲーム理論
■行動経済学 …人間の経済行動を心理的側面から分析
   ・不確実性下では人間が合理的な判断をするとは限らない。
   ・2つの心理的バイアスが存在:①「自信過剰バイアス」と②「自己奉仕的帰属バイアス」

2.医療の財としての性質

① 人間の基本的ニーズ(K.Arrow)
② 必要性と費用を予測出来ない
③ 情報の非対称性を持つ
④ 不可逆性、私的財、手段財
⑤ 医師(供給者)誘発需要を持つ

こうした理論的な部分を理解したうえで、湾岸産油国の医療制度をしばらく観察してみたい。

【参考文献】
真野俊樹[2012]『入門 医療経済学―「いのち」と効率の両立を求めて』中公新書、第3章。
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フィリピンの低い国内投資

フィリピンの経済発展にとって、低投資は長年のボトルネックの一つであるになってきた。

ASEAN諸国の国内総資本形成の対GDP比を比較すると、フィリピンは1990年以降25%以下で低迷しており、ASEAN諸国の中でも低い水準である(図 3)。経済自由化を掲げたラモス政権後期の1995年から1997年にかけて国内総資本形成はGDPの22.5%から24.8%まで増大するものの、1997年のアジア通貨危機を機に再び低下し、1999-2000年には、対GDP比20%を下回る水準にまで落ち込む(表1)。国内総資本形成の対GDP比率は、通貨危機後の経済回復と歩調を合わせる形で、2001-2002年に一時的に回復するが、その後もまた低調を続けてきた。

フィリピン国家統計調整委員会(National Statistical Coordination Board;NSCB)の統計によれば、フィリピンの国内総資本形成は、固定総資本形成(建設、耐久設備、種蓄・農園開発)、知的財産、在庫変動に分類される。企業部門の固定資本への設備投資が含まれる耐久設備(Durable Equipment)の対GDP比率は2003年に9.6%、2011年に9.3%であり、耐久設備についても著しく増加しているとは言いがたい。フィリピンのマクロ統計における耐久設備の内訳を表5に示した。2011年の耐久設備投資残高は69.9万ペソに上る。そのうち特定産業向けの特殊機械への設備投資は耐久設備投資残高の25.8%、一般産業向け機械・装置への設備投資は15.0%を占める。
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じゅん

Author:じゅん
中東経済、企業金融が専門の研究者。UAE・アブダビから帰国しました。
Researcher:Middle Eastern Economy, Financial Development, and Islamic Finance
باحث: الاقتصاد في الشرق الأوسط، التنمية المالية، والتمويل الإسلامي.

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2017年4-6月のタスク
①【消費】やらないことを決める ②【投資】論文1本執筆と1本投稿(済) ③【空費】体重を5kg減
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