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【マクロ演習】2.2 (2)フローとストック

2.いくつかの基礎概念

(2)フローとストック

経済学で扱う数値や変数は、一般的に2種類に分類。
  • フロー(flow) は、ある一定期間に計測される変数の概念。
   例)1年間に不忍池に流れ込んできた水量。
  • ストック(stock)は、ある一時点で計測される変数の概念。
   例)現時点における不忍池に溜まっている水量。

<イメージ>
流入fと流出gがある状態で、水槽に水量Sがたまっているとする。この水量Sがストックを表し、流入fと流出gがフローを表す。

埋め込み画像 1

数式で表現すると、
  St  = t年1月1日の時点におけるストック
  St+1 = その1年後のt+1年1月1日の時点におけるストック
  ft  = t年1月1日からt年12月31日までの期間に流入するフロー
  gt  = t年1月1日からt年12月31日までの期間に流出するフロー
このとき、次の式が成り立つ;
St+1 = St + ft - gt


【マクロ演習】第3回 わが国の戦後のマクロ経済概観

3.1 わが国マクロ経済の歩み

(1)戦後復興期(1945-1954年)
(2)高度成長期(1955-1973年)
(3)安定成長期(1973-1986年)
(4)バブル景気(1987-1991年)
(5)平成不況期(1991-2003年)
(6)ポスト平成不況期(2003-2007年)
(7)サブプライムローン問題からアベノミクスへ(2007年-現在)

3.2 古典派経済学とケインズ経済学

(1)古典派経済学
(2)ケインズ経済学


【マクロ演習】2.2 (1)名目値と実質値

第2回 国民所得の概念と経済の循環

2.いくつかの基礎概念

(1)名目値と実質値

  • 名目GDP とは、各時点の価格で計った国内総生産。
  • 実質GDP は、基準時点の価格で計った国内総生産。
  • 名目GDPと実質GDPの比率は GDPデフレーター と呼ばれる。 …物価の変化の判断に用いる。

GDPデフレーター = 名目GDP/実質GDP

  • GDPデフレーターが1以上(100%以上)であれば、物価上昇 ( インフレーション )。
  • GDPデフレーターが1以下(100%以下)であれば、物価下落 ( デフレーション )。


【マクロ演習】2.1 (3)GDPの三面等価

第2回 国民所得の概念と経済の循環


2.1 国民所得の概念


(3)GDPの 三面等価の原則

生産面 : GDPは各産業が生産した財・サービスの生産額の合計。
分配面 : GDPは国内で得られた所得の合計。この代金を受け取った企業は、賃金・利潤・配当・利子・地代などとして分配。
…生産されたGDPは誰かの所得として分配される。
支出面 : 国内で生産された付加価値にどれだけ支出があったか。GDPはその支出の合計。財・サービスの買い手は、消費・投資・政府支出・貿易取引として代金を支払う。

■結果的に、GDPは生産面、分配面、支出面から見て全て等しくなる。

i) 生産面から見たGDP
     国内総生産GDP
         =産業1の付加価値
+産業2の付加価値
+産業3の付加価値
+・・・

ii) 分配面(所得面)から見たGDP
■国内総所得GDI(Gross Domestic Income)
=雇用者所得+営業余剰+間接税-補助金+固定資本減耗

   ・雇用者所得compensation of employees…雇用者に支払われる賃金など雇用主の負担金
   ・営業余剰Operating surplus…経営者や株主に対する報酬の支払い

■国民所得NI(National Income)
=GDI-固定資本減耗-(間接税-補助金)

iii) 支出面から見たGDP
■国内総支出GDE(Gross Domestic Expenditure)
=消費+投資+政府支出+輸出-輸入
          =(消費+投資+政府支出)+(輸出-輸入)
          =(内需)+(外需)

iv) GDPの三面等価

   国内総生産GDP ≡ 国内総所得GDI ≡ 国内総支出GDE

どのような場合でも常に成立(恒等式)。

<国内純生産NDPや国民純生産GNPの三面等価>
■同様に、Cfc:固定資本減耗とすると
GDP- Cfc ≡GDI- Cfc ≡GDE - Cfc
より 国内純生産NDP  ≡ 国内純所得NDI ≡ 国内純支出NDE

■また、Iin:海外からの所得流入、 Iout:海外からの所得流入とすると
GDP+(Iin - Iout) ≡GDI +(Iin - Iout) ≡GDE +(Iin - Iout)
より 国民純生産GNP ≡ 国民純所得GNI ≡ 国民純支出GNE
■国内純生産NDPと国民純生産GNPについても三面等価が成立。





【マクロ演習】2.1 (2)国民総生産(GNP)

第2回 国民所得の概念と経済の循環

1.国民所得の概念


(2)国民総生産(GNP)

国内総生産(GDP;Gross Domestic Product) とは、1年間に国内で生産されるすべての財・サービスの付加価値の総計。
国民総生産(GNP;Gross National Product ) とは、1年間に国民が生産したすべての財・サービスの付加価値の総計。 GDPに海外からの純所得を足したもの。
  ・海外からの純所得=海外在住の国民の生産額-国内の外国人の生産額
  ・海外にいる日本人の所得は日本のGDPに含まれないが、日本のGNPには含まれる。
  ・経済指標として、かつてはGNPが用いられたが、最近ではGDPを用いるのが一般。経済の国際化の進展により、国内の経済活動のほうがより重視。

【マクロ演習】2.1 (1)国内総生産(GDP)

第2回 国民所得の概念と経済の循環

1.国民所得の概念


(1)国内総生産(GDP)


■経済活動の「活況度」をどのように測るか?
■国内総生産(Gross Domestic Product;GDP)
  =一定期間(通常は1年間)に国内生産されるすべての財とサービスの合計。経済活動の活況の程度、経済の大きさを表す。
  ①「国内」:GDP=消費+投資+政府支出+輸出-輸入
  ②「総」:固定資本減耗*を含む。
  ③「生産」:「付加的な生産物」。全体の生産額から原材料投入分を引いたものが「付加価値」。この付加価値の合計がGDP。 

* 固定資本減耗…機械などの生産設備が使っているうちに故障や老朽化が進んで能力が落ちる。その価値の低下分(減価償却)。GDPから固定資本減耗を差し引いたものを国内純生産(Net Domestic Product)と呼ぶ。

GDPは「付加価値」の合計
004.png 
■GDPは付加価値の合計なので、この経済のGDPは 10+20+30=60円。
■原材料費や仕入れ値はGDPに計上されないことに注意!

【マクロ演習】第2回 国民所得の概念

2.1 国民所得の概念

 (1)国内総生産(GDP) … 国内総生産(GDP)/付加価値/国内純生産(Net Domestic Product) →こちら
 (2)国民総生産(GNP)
 … 国民総生産(GNP;Gross National Product )/海外からの純所得 →こちら
 (3)GDPの三面等価 … 
三面等価の原則/生産面から見たGDP/分配面(所得面)から見たGDP/支出面から見たGDP/国内純生産NDPや国民純生産GNPの三面等価 こちら


2.2 いくつかの基礎概念

 (1)名目値と実質値 … 名目GDP/実質GDP/GDPデフレーター →こちら
 (2)フローとストック … フロー変数/ストック変数 →こちら

【マクロ演習】第1回 マクロ経済学の基礎概念

1.マクロ経済学の基本概念

(1)マクロ経済学とミクロ経済学

マクロ経済学とミクロ経済学の違い
■「マクロ経済学」・・・数多くの人間の経済の営みを対象とした学問。
  例)日本経済、アジア経済、国際経済
■「ミクロ経済学」・・・一人の個人や一つの企業の経済の営みを対象にした学問。
  例)個人、企業、産業、市場
■マクロ経済学 は、ミクロ経済主体の行動の結果を代表的な変数に「集計」して分析。
■集計された変数の例・・・国内総生産(GDP)、インフレ率、失業率、為替レート、国際収支、経済成長率、利子率など。


(2)4つの経済主体


経済主体 economic agent」・・・社会で経済活動を営む単位。

■基本的には4つの経済主体が経済活動を行う。

  ①家計 household

  ②企業 company

  ③政府 government 

  ④海外 overseas


011.png 

<4つの経済主体、筆者撮影





(3)3つの市場


■「市場(しじょう、market)」・・・モノやカネなどが売買される場所

■3つの市場

  ① 財 市場(product market) ・・・モノとサービスの取引。生産物市場。

  ② 労働 市場(labor market) ・・・労働契約の場。

  ③ 資産 市場(capital market)  ・・・カネ(株や債券など)の売買。


022.png 

<3つの市場、筆者撮影>




【マクロ演習】講義内容

今年度もマクロ経済学の演習の講義を担当します。講義メモを連載していきます。

講義内容は以下の通り;

  2.1 国民所得の概念
  2.2 いくつかの基礎概念 
  3.1 わが国マクロ経済の歩み
  3.2 古典派経済学とケインズ経済学
第4回 財市場①−消費関数・投資関数と45度線分析
第5回 財市場②−乗数効果と政府支出
第6回 財市場③−貯蓄と投資の均衡とIS曲線
第7回 財市場④−財政政策
第8回 資産市場①−資産とはなにか
第9回 資産市場②−貨幣供給
第10回 資産市場③−貨幣需要
第11回 資産市場④−金融政策
第12回 IS-LM分析①−財政金融政策の効果
第13回 IS-LM分析②−クラウディングアウトと分析の限界

今回は、基礎的なマクロ経済学のテキストの前半部分が講義対象になっています。

テキストは大野裕之『マクロ経済学のエッセンス』創成社 を指定しています。

[医療]医療経済学の基礎

ひょんなことから「医療経済学」について触れる機会があった。

全くの門外漢なので「医療経済学」とは何かというところから学習する必要がある。真野[2012]の入門書をもとにまとめておきたい。

1. 医療に応用できる経済学の方法論

■組織の経済学(産業組織論) …医療についてSCPパラダイムの適用
■公共選択論 …市場以外の領域でも「合理的経済人」の存在を想定
■ゲーム理論
■行動経済学 …人間の経済行動を心理的側面から分析
   ・不確実性下では人間が合理的な判断をするとは限らない。
   ・2つの心理的バイアスが存在:①「自信過剰バイアス」と②「自己奉仕的帰属バイアス」

2.医療の財としての性質

① 人間の基本的ニーズ(K.Arrow)
② 必要性と費用を予測出来ない
③ 情報の非対称性を持つ
④ 不可逆性、私的財、手段財
⑤ 医師(供給者)誘発需要を持つ

こうした理論的な部分を理解したうえで、湾岸産油国の医療制度をしばらく観察してみたい。

【参考文献】
真野俊樹[2012]『入門 医療経済学―「いのち」と効率の両立を求めて』中公新書、第3章。
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じゅん

Author:じゅん
中東経済、企業金融が専門の研究者。UAE・アブダビから帰国しました。
Researcher:Middle Eastern Economy, Financial Development, and Islamic Finance
باحث: الاقتصاد في الشرق الأوسط، التنمية المالية، والتمويل الإسلامي.

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