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アルコール飲料への欲求が文明発展の原動力

「アルコール飲料を大量に造りたいという欲求が、植物の栽培を加速させた。酒は文明発展の唯一の原動力ではないにせよ、極めて重要な役割を果たしていた」という説(カリー 2017,pp.46)は興味深い。逆説的には、アルコール飲料に対する強い欲求がなければ、文明が発展しにくい可能性があるということか。
中東地域でもイスラム化するまでは(してからもしばらくは)、ビールやワインは健康飲料や労働報酬や奢侈品として広く飲まれていたようだ。古代エジプトでは、紀元前3150年頃には、ピラミッドの建設労働者の報酬としてビールを与えられており、古代バビロニアの紀元前500年の史料にも何十種類ものビールが記録されているそうだ(同 pp.47)。
古代エジプトではビールが醸造されていたというのは聞いたことがあるが、カフカス山脈やザグロス山脈で、古くからブドウ栽培が行われ、約7400年前にはワインが醸造されていたというのは知らなかった。イランでワインというとシーラーズ・ワインというのは聞いたことがある。飲んだことはないのだけど。
イランに行く機会があれば探してみたい。
<参考文献>
カリー. (2017). 「酒と人類 9000年の恋物語」National Geographic 2017年2月号.

UAE:2030年の経済・社会ビジョンとその進展状況

はじめに:本報告の目的


  • UAE経済をリードするアブダビ首長国は、現在「アブダビ経済ビジョン2030(Abu Dhabi Economic Vision 2030)」と「プラン・アブダビ2030(Plan Abu Dhabi 2030)」という2つの長期国家目標を掲げて取り組んでいる。石油依存経済と人口問題を抱えるアブダビの経済・社会的課題について解説。
  • ドバイの開発戦略と比較。
  • 2つの視点:①市場への政府介入の是非と②開発計画のファイナンスの視点

<目次>
→2.アブダビ首長国の開発戦略とその特徴(後日アップします)
→3.UAE経済開発の課題(後日アップします)
→まとめ(後日アップします)


(本内容は下記の夏期公開講座で報告予定です

2016年アジア経済研究所夏期公開講座(東京)
コース7 中東の地域大国が描く将来像
内容中東地域は,各地で続く軍事紛争による情勢不安、および石油価格の下落で顕在化した経済の悪化によって先行き不透明感が高まっています。それに対し、地域主要国の政権は、政治基盤を固め、経済開発を推進することで、国内の安定と発展を図り、また地域大国として主導権を発揮しようとしています。本コースでは、エジプト、トルコ、UAE、サウジアラビアの4カ国を取り上げ、政治・経済の動向と各国の描く将来像を解説します。
開催日時2016年8月26日 (金曜) 13時30分~17時00分 
会場ジェトロ本部 5階 ABCD会議室(東京都港区赤坂1-12-32アーク森ビル5階)

イランの英字新聞雑誌

イラン国内の経済・ビジネス系のニュース収集が必要で、かつ英字で読めたら便利と考え、紀伊国屋ドバイ店で購入したSmalley[2011]をもとに抜き出してみた。

新聞
Iran Daily(1997年発刊)
Iran News(1994年発刊)
Tehran Times(1979年発刊)

ビジネス誌
Iran International(季刊、1998年発刊)

ニュースサイト
Iran Weekly Press Digest(1987年発刊)

[UAE]近年のマクロ経済情勢

■一人当たり名目GDPの高さは、MENAP地域でもカタル(9.4万米ドル)に次いで高い。なお日本は3.6万米ドル。
■UAEの財政収支を均衡させる石油価格84米ドル/バレルを割り込むが、潤沢な外貨準備で対応か。

表:UAEの主要経済指標
図4
出所:World Bank資料より筆者作成。

[UAE]マクロ経済のIMF見通し

■2015年は、中東及び北アフリカの一部の国々での地政学的要因による経済の停滞を反映するが、2016年以降回復?
■これまでMENAPを牽引してきた湾岸産油国の成長に陰り(カタルを除く)。

表:実質GDP成長率と見通し(2013-2019年、%)
図3
注1:中東、北アフリカ、アフガニスタン、パキスタン
注2:緑セルはIMF推計。
出所:IMF, World Economic Outlook Database, April 2015

なぜ公共バス利用者が増加するのか

ドバイの公共バスについての統計を調査中。

Dubai行のバス@Fujairah
ドバイ-フジャイラ間の長距離バス>

道路運輸庁(Road and Transport Authority)から2011-2013年の運輸統計が利用できる。これによれば、2013年の公共バス利用者数は年間1.16億人で、2011年から増加傾向にある。2009年に利用者数は1.2億人でピークを迎えるが、その後減少し2013年になって2009年の水準に回復しつつある。

無題

2013年の利用者数1.16億人のうち、ドバイ都市部(Urban)のバス利用者(8,369万人、総利用者の72.3%)が主である。一方で都市間(Intercity)の利用者(1,223万人、同10.6%)は少数派。

10月から12月にかけて利用者が増加する傾向を考えると、観光シーズンに訪れる観光客の足にもなっていることが伺える。12月の利用者が特に多いのはクリスマス休暇等で移動が増加することも予想できる。

公共バスの利用者の増加が、単純に人口増加によるものか、あるいは利用者の所得の変化によるものか、交通システムの整備によるものなのか調べてみるもの面白い。当然、自家用車の利用状況や消費統計などそのほかの情報が必要になってくる。

また、労働移動と公共交通機関の利用状況の関係を調べてみるのも面白そう。

参考文献
・Road and Transport Authority(Dubai), 2011. RTA Statistics 2011.
・Road and Transport Authority(Dubai), 2012. RTA Statistics 2012.
・Road and Transport Authority(Dubai), 2013. Annual Statistical Report 2013.

「アラブの春」勃発の要因:インターネット・SNSはあくまで間接的なものに過ぎない

保坂[2014]を興味深く拝読。以下、重要な点を引用の形でメモ。

(pp.17)おもなイスラーム諸国のインターネット接続年
UAE:最初の接続1993年、商用利用開始1996年。

(pp.44)パリを本拠地とする「国境なき記者団」は、2012年の「インターネットの敵」として、バハレーン、ベラルーシ、ミャンマー、中国、キューバ、イラン、北朝鮮、サウジアラビア、シリア、トルクメニスタン、ウズベキスタン、ベトナムの21カ国を、また「監視対象国」として、オーストラリア、エジプト、エリトリア、フランス、インド、カザフスタン、マレーシア、ロシア、韓国、スリランカ、タイ、チュニジア、トルコ、UAEの14カ国をあげている。

(pp.83)ベンアリーの亡命やムバーラク辞任の直接的な原因は彼らの体制をえてきた軍や治安部隊の離反であり、リビアの場合は北大西洋条約機構(NATO)軍の介入、イエメンの場合は湾岸協力会議(GCC)諸国からの圧力こそが政権崩壊の直接的な原因である。SNSが体制崩壊に直接的に関係したわけではない。ただ、体制崩壊の過程のどこかでSNSを含むICTが重要な役割をはたしたことは疑いえない。



それから中東諸国とインターネット・SNSについての関連文献として、
中島隆晴, 2011. 中東におけるインターネットメディア統制. 海外事情, 59(6).
保坂修司, 1997. 湾岸研究とインターネット. 現代の中東, 22.
保坂修司, 1998. アラブ湾岸諸国:強い政府の規制、海外に拠点を持つ反政府勢力. アジ研ワールド・トレンド, 4(12).
山本達也, 2008. アラブ諸国の情報統制:インターネット・コントロールの政治学, 慶應義塾大学出版会.
山本達也, 2011. 「アラブの春」に見るソーシャルメディアの影響力. 中東研究, 512.

あたりは読んでおきたい。

保坂修司, 2014. サイバー・イスラーム:越境する公共圏, 山川出版社.

サイバー・イスラーム―越境する公共圏 (イスラームを知る)サイバー・イスラーム―越境する公共圏 (イスラームを知る)
(2014/04)
保坂 修司

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民間部門で働くことに対するEmirati若年層の意識

2014/2/4付けThe Nationalによると、民間部門で働きたいと考えているEmiratiの若者は37%で公共部門希望の43%より少ない。残りは自営業希望で20%。

The National 20150204
(出所)2014/2/4付けThe National

就職先を決定する際、賃金は最重要課題。つまりは賃金が良くなければ、民間で働きたくないと考えているということか。

湾岸アラブ諸国の海軍力

門外漢ながらも湾岸アラブ諸国の海軍力を調べてみた。

単純な艦船数の比較だが、海岸線の長いサウジアラビアで高速艇・哨戒艇をはじめとした艦船の数が多いのは当然として、イランに近いUAEやオマーンでも艦船数が多いことがわかる。

表 湾岸アラブ諸国の海軍力の比較
無題
出所:『世界の海軍 2012-2013』より筆者作成。

海軍の艦船のそれぞれがどのような役割を果たすかが分かれば、各国の海洋における軍備が何を想定しているかが分かるはず。

調査を進めたい。

<参考文献>

世界の艦船増刊 世界の海軍2012-2013 2012年 04月号 [雑誌]世界の艦船増刊 世界の海軍2012-2013 2012年 04月号 [雑誌]
(2012/03/15)
不明

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企業と労働者のインセンティブ調整が、GCC諸国の多角化戦略の「ミッシングリンク」

Callen et al[2014]は、GCC諸国経済の多角化を拡大するためには、企業と労働者のインセンティブを再編することが必要であると主張する。

要約

湾岸協力会議(GCC)諸国の経済は、石油に重く依存している。経済多様化は、世界的な石油市場における不安定性と不確実性を低下させ、民間部門の雇用を生み生産性と安定成長を拡大するのを助け、そして石油収入が減少する将来に必要になる非石油経済を創出することを助ける。GCC諸国は、さらなる多角化経済を促進する多くの標準的な政策standard policies(ビジネス環境と国内インフラの整備、金融深化と教育改善を目的とする改革を含む)に従事してきた。

本稿は、GCC諸国経済の多角化を拡大するためには、企業と労働者のインセンティブを再編することが必要であると主張する。このインセンティブを調整することは、GCC諸国の多角化戦略の「ミッシングリンク」*1である。

現時点では、企業にとって、取引不可能な財non-tradablesを生産することは、低賃金労働者の利用と政府支出の急増を背景に、より安全であり、さらに利益をもたらすことができる。高い給与high-payingを継続的に利用でき安定的な公共部門は、国民の企業家精神と民間部門雇用を阻害するが。

このインセンティブ問題の取り組みは、財政支出の制限と再適合、民間部門における競争促進、輸出企業に対する保証提供と金融支援、民間労働市場をより競争的にするための労働市場改革を含む。


*1 ミッシングリンク(Missing-link)とは連続性が期待されている事象に対して、非連続性が観察される場合、その比較的顕著な間隙を指す。


参考文献
Callen, Tim, Reda Cherif, Fuad Hasanov, Amgad Hegazy, and Padamja Khandelwal[2014]"Economic Diversification in the GCC: Past, Present, and Future," Staff Discussion Notes No. 14/12,International Monetary Fund.
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じゅりあん

Author:じゅりあん
中東経済、企業金融が専門の研究者。UAE・アブダビから帰国しました。
Researcher:Middle Eastern Economy, Financial Development, and Islamic Finance
باحث: الاقتصاد في الشرق الأوسط، التنمية المالية، والتمويل الإسلامي.

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